構造性能を確認する必要性の高まり
2016年4月に発生した熊本地震、最大震度7を観測した熊本県益城町では700棟以上が全壊となりました。
被災家屋の多くは、建築基準法で耐震基準が強化された1981年以前に建築されたものと見られています。
しかし一方で、比較的築浅の住宅でも被害が認められたことから、改めて木造住宅の耐震性能を確認する必要性が高まっています。
- 32.1%
- 17.7%
- 45.9%
- 9.1%
- 9.8%
- 60.3%
- 20.9%
- 4.1%
- 37.6%
- 55.4%
- 7.7%
- 52.0%
- 40.3%
- d
- 倒壊・崩壊
- c
- 大破
- b
- 軽微・小破・中破
- a
- 無被害
被害の大きかった熊本県益城町中心部では、木造建物の倒壊割合は1981年6月以降2000年5月以前の建物で9.1%、2000年6月以降の建物で2.9%となっています。
倒壊の主な要因は接合仕様が不十分であったことと推測されています。地震の揺れで接合部が破壊され、耐力壁が有効に機能しなかったことが被害を大きくした可能性が高いということです。
熊本地震では前震と本震共に震度7を観測し、前震で耐えた建物が本震で倒壊に至ったというケースもありました。
今回のような繰り返し地震の挙動に関しては、一般的な許容応力度計算では、1回目の地震により受けた影響を各部材に対して与えることは不可能です。
地震の際、建物の揺れをシミュレーションする「wallstat」
wallstatによるシミュレーション
パソコン上で数値解析モデルを作成し、振動台実験のように地震動を与えた場合の挙動をシミュレーションすることで、変形の大きさや倒壊の有無を視覚的に確認することができます。
- 破損
- 小
- 1
- 2
- 3
- 4
- 大
Wallstatは下記のURLより無料にてダウンロードできます。
木造住宅倒壊解析ソフトウェアwallstat
一般社団法人耐震性能見える化協会 wallstat情報交換サポートサイト
CEDXMとwallstatの連携によって広がる可能性
CEDXMを活用すればwallstatへの入力作業を省力化できます。
プレカット工場で作成した構造情報をCEDXM変換し、そのデータを活用することで、
wallstatへのデータ入力を大幅に短縮することが可能になります。
倒壊シミュレーション
対象とする木造住宅の平面図、立面図から解析モデルを作成します。耐震要素に応じた耐力を選択し、 地震波を入力して、シミュレーションを実行します。 自分で入手した耐震要素の実験データや、地震波形を利用することもできます。
巨大な地震動が生じた際の木造住宅の倒壊安全性の確認や、実験が難しい建物の振動台実験シミュレーション等、 幅広い活用方法が考えられます。
- 破損
- 小
- 1
- 2
- 3
- 4
- 大
同一のプランで、耐震性能の異なる複数のパターンを同時に揺らし、その挙動を比較することもできます。
設計へのフィードバック
倒壊プロセスを検証し、構造的に脆弱な部分を設計段階で把握・改善することができ、住宅取得者への耐震性能のアピールといった営業的な活用も考えられます。
wallstatによる検証事例
阪神・淡路大震災の地震動によるシミュレーション。損傷を受けた箇所の石膏ボードを構造用合板に変更することで、より強い地震動でも倒壊しないようになったことがわかります。
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