連載コラム・neoプレカット工場紀行

第2回「木造建築生産はいま ―情報連携の視点から―」


シーデクセマ活用の最前線と将来展望

特定非営利活動法人シーデクセマ評議会 理事長
藤澤 好一

 このタイトルは本年度総会にあわせての基調パネルセッション*1)のものだが、昭和調で訴求力に乏しい。設計、構造、プレカット、資材流通分野の実務者が、情報連携の現場を率直に語り合ったのだから「データ連携で変わる木造住宅生産」といった前向きの基調とすべきだった。
 それぞれの現場の状況については、改めての紹介となるが、ここでの討議をふまえ、評議会として取り組むべき方向を示しておきたい。「木造建築生産のための役割分担」として、意匠設計、構造計算、プレカット、資材割付・流通、そして施工、維持管理へ、情報も川上から川下へと伝播されるのだが、後工程ほど情報入力を二度、三度とくり返す。そこに無駄とムラ、そして誤りが生まれる。人手不足のいま、この「再入力」こそ、断ち切らねばならない。データを引き継ぎ、バトンとして手渡す。それがCEDXMの本義なのだが、充分に機能していない「いま」の報告が相次いだ。
 その一方で連携に「過度な期待」をしていないか。意匠CADが持たない情報まで求めても連携は成り立たない。同じ要素でも、意匠設計とプレカットとでは「解像度」も「押さえどころ」も違う。この差は、どこまでも付いて回る。まずは何をどこまで渡せるのか、現実の連携範囲を明らかにすることが先決でにないか。そのうえで、評議会が担うべき役割があると考える。第一に、樹種の表記や寸法の起点など、選択肢も含め標準を示すことだろう。「評議会が旗を振ってほしい」という声にも応えたい。第二に、CADごとに連携に必要な「最低限のコマンド」を整理し、工場と取引工務店とで共有でき、連携できる情報としていくことだろう。入力するのは結局「人」であり、その受益と負担のずれをただすには、業界を横断する仕組みが要る。
 「CEDXMは単なる図面変換技術ではなく、木造生産全体を効率化するための共通データ基盤である」がこの基調パネルセッションで改めて確認された。一団体でなしうることには限りがあるが、情報生成の流れに沿って現場をたどり、そのための知恵と協力を仰ぐことしかない。



*1)2026年度総会開催案内(web)